2026/04/19 20:29

■発酵を支える菌の世界


発酵は、目には見えない微生物(菌)の働きによって生まれます。
その中心にいるのが、麹菌・酵母・乳酸菌といった菌たちです。

それぞれが異なる役割を持ち、
食べものにさまざまな変化をもたらしています。

■麹菌 ― 分解して引き出す


麹菌の特徴は、酵素をつくり外に出すこと。
その酵素の働きによって、食材は分解されていきます。

でんぷんは糖に、
たんぱく質はアミノ酸へ。

こうして、食材の中にあった甘みやうま味が
引き出されていきます。

麹は、発酵のはじまりをつくる存在です。

■酵母・乳酸菌 ― 変換して生み出す


麹菌によって生まれた糖は、
酵母や乳酸菌の働きによって、さらに変化していきます。

酵母は、糖をアルコールへ。
乳酸菌は、糖を乳酸へ。

それぞれが、香りや酸味といった
発酵ならではの個性をつくり出します。

■菌がつくる味わいの違い


同じ食材でも、どの菌が関わるかによって
まったく異なる味わいが生まれます。

やさしい甘み、深いうま味、さわやかな酸味。
その違いは、菌の個性そのものです。

■発酵というリレー


発酵は、ひとつの菌だけで完結するものではなく、
いくつかの菌が役割をつなぐことで成り立っています。

麹菌が分解し、
酵母や乳酸菌が変換する。

その積み重ねによって、
味わいに奥行きが生まれていきます。

発酵とは、菌たちがつくる“リレー”のようなもの。
目には見えない小さな存在が、
食べものの可能性を広げているのです。

そしてその中でも、
日本の発酵文化を支えてきたのが「麹」です。

次は、この麹がどのようにして
発酵の土台をつくっているのかを見ていきます。